「大王の夢」56話 57話

「大王の夢」56話 57話

チェスジョン/青年期 チェサンウ(キムチュンチュ王役・ムヨル大王)、キムユソク/青年期 ノヨンハク(キムユシン役)、パクジュミ/青年期 ソンジュア(善徳女王:トンマン王女役)、イヨンア/青年期 キムヒョンス(スンマン皇后役)、チョンドンファン(キムヨンチュン役:キムチュンチュの父)、チョギョンスク(チョンミョン王女役:キムチュンチュの母)、チョソヨン(ポリ宮主役)、リナトグレース(ウンミョン皇后役)、ミンジア(ポフィ役)、チェイルファ(キムリヒョン役)、新羅真平王、金色狐(刺客)、ビヒョンラン(鬼門の首領)、葛文王(カルムナン王)、上大等(サンデドゥン:キムユシンの祖父)、ポブミン:チュンチュの息子

【56話】

唐陣営で。
約束した期日中に、新羅が合流できないなら、俺は新羅軍の助けなく、サビ城を陥落させる。そうなれば、新羅が百済征服のの主人になることはできないと言い放つ唐の将軍。
その話がムヨル大王に伝わり・・・。

新羅ムヨル大王の執務室で。
唐の将軍が唐皇帝の戦略を宣言したということは、唐と同盟を結んだときに危惧していたことが起こって来たということか・・・と呟くムヨル大王に、大王はすでに推測していたのですかと聞く軍師。
小国が大国と手を組んで大きなことを成そうとする時は、大国に振り回され、大儀を成した後に、やられるのが常だ。俺がその危険を知っていながら、唐の兵を借りて、三韓統一を成そうとした意味は、新羅、高句麗、百済の三国が三韓の土地をめぐって、小競り合いを繰り返して行くなら、いつかは、唐の侵略を受け、三韓の土地が唐の植民地になり、三韓の民が唐の奴隷になることを心配したからなのだ。それと、俺が唐の侵略に負けない自信があった。新羅が天下の中心だという新羅人としての自負心とキムユシンが花朗徒の愛国心を盾にして唐の軍を防いでくれるという信頼があったからだと言い放つムヨル大王であった。

【57話】

戦う百済ケベク軍と新羅ユシン軍。
百済陣営から投石器で、石が飛来し・・・。
混乱する新羅兵。鉄騎兵を投入しろと叫ぶキムユシンだが・・・苦渋の思いで退却を全軍に命じるキムユシン。

新羅陣営で。
落ちた兵の士気をあげるために、若い花朗徒が決死隊を組んでケベク将軍に立ち向かうと・・・。
俺が幼い花朗徒を出陣させたら、攻撃命令を出してくれますか。幼い花朗徒を百済軍に送ったなら百済軍に勝てるのですか。本当にそれがおじさん(キムユシン)の考えなのですかと聞くポブミン(ムヨル大王の世継)に、太子殿下、今、我々の落ち込んだ士気では、ケベクの兵に勝つことができません。妻子を殺して来たケベクの決意が百済兵が死を恐れずに戦うようにしたのですと語るキムユシン。

百済陣営へ。
百済の兵にひとり戦いを挑む若い花朗徒・・・返り討ちに会い・・・。
そして、また、若い花朗徒が・・・。

新羅陣営で。
新羅の兵士達よ。幼い花朗徒達が死を持って忠誠を果たしたのに、お前達は、どうして、百済軍の剣を恐れ、生きようとするのだ。この者達の死の前に、恥ずかしくないのかと言い放つキムユシンの前に、ひとりの兵が歩み寄り、出陣命令をだしてください。ふたりの花朗徒の前に恥ずかしくないように命を掛けて戦います・・・と。ひとり、ひとり、戦います・・・命令を下してくださいと前に出て・・・戦います・・・と全ての兵が前に・・・新羅の忠誠を誓った兵士達よ。俺はお前達が誇らしい。お前達が死を恐れずに進軍するなら、今夜、俺は百済陣営を滅ぼすと叫ぶキムユシン。
歓声をあげる兵士達・・・。

次話へ。