「大王の夢」62話 63話

「大王の夢」62話 63話

チェスジョン/青年期 チェサンウ(キムチュンチュ王役・ムヨル大王)、キムユソク/青年期 ノヨンハク(キムユシン役)、パクジュミ/青年期 ソンジュア(善徳女王:トンマン王女役)、イヨンア/青年期 キムヒョンス(スンマン皇后役)、チョンドンファン(キムヨンチュン役:キムチュンチュの父)、チョギョンスク(チョンミョン王女役:キムチュンチュの母)、チョソヨン(ポリ宮主役)、リナトグレース(ウンミョン皇后役)、ミンジア(ポフィ役)、チェイルファ(キムリヒョン役)、新羅真平王、金色狐(刺客)、ビヒョンラン(鬼門の首領)、葛文王(カルムナン王)、上大等(サンデドゥン:キムユシンの祖父)、ポブミン:チュンチュの息子

【62話】

キムユシンの家で。
兄貴が病に罹り、出兵できないと聞いて、見舞いに来た。狩に出るほど元気な姿を見て、安心したと言うムヨル大王に、私の病は体ではなく、心の病です。統治が難しいので、出兵を避けました。許してくださいと答えるキムユシン。
兄貴の心の病は、唐軍と一戦を交え、奴らを三韓の地から追い出し、朝廷の親唐派を一掃すれば、快復することだろう。俺がどうして兄貴の気持ちがわからないと・・・君主である俺への忠誠を失わないために、朝廷の平和のために、朝廷を出て、ここで歳月を送るその心の内を十分に理解できる。兄貴、本当に高句麗軍の侵略を防ぐために出兵されないのですかと言うムヨル大王に、大王陛下、私の罪を問い、処刑を命じてください。そうすれば、私は三韓統一の大儀のために、死ぬことができますと答えるキムユシンであった。

【63話】

キムユシン配下の兵士を兵部に所属させろ・・・と王命が発令され・・・。
一方、百済の捕虜を迫害する唐軍に反対した新羅太子から太子の位を剥奪しろ・・・と国書を送ってくる唐の皇帝。

ムヨル大王の御前で。
兄貴、高句麗軍が北韓山城を攻撃してきた。城主が救援を要請して来ているんだが、ソラブルには応援を送る兵がいない。兄貴が北韓山城を救う方策がないか聞くために呼んだのだと言うムヨル大王に、サビに出陣させた兵を戻させ、高句麗軍と戦わせるのがいいと思いますと答えるキムユシン。
不可能だ。サビに出兵させた兵を戻せば、唐軍が百済兵に取り囲まれ、孤立無援の危険な状態に陥ると言うムヨル大王に、百済の土地を守るために、高句麗に領土を取られるなら、百済征服の大儀に何の意味があるというのですか。サビ城に出兵させた兵を戻さなければ、高句麗軍を防ぐ兵力がありませんと言うキムユシン。

兄貴が北韓山城に出陣して、高句麗軍を防いでくれ。兄貴が出陣し高句麗軍を玉砕すれば、ヨンゲソムンと内通したという噂も反乱軍を指揮しているという噂も、朝廷の不信も払拭することができると言うムヨル大王に、大王陛下、本当に私が謀反を企てていると信じているのですかと聞き返すキムユシン。
俺は兄貴が北韓山城を高句麗軍から守ってくれると信じていると言い放つムヨル大王。

キムユシンの家で。
どうして父上は兵力もなく、伯父さんを死地に送るというのですか。どんなに伯父さんが不敗の大将軍であっても、護衛100名を率いて、1万の高句麗軍と戦い退けることができるというのか・・・父にあって増兵を要請すると怒り狂う新羅太子に、大王は俺を信じられないのだ。俺がヨンゲソムンと内通しているなら、高句麗軍を撤退させられるはずだし、そうでなければ、高句麗の兵の剣で死ぬことになるから、大王は俺を死地に送り、俺の忠誠を試しておられるのだ。俺は王命を受け入れる。私がもう一度ソラブルに戻って来ることができれば、親唐派を打倒する。万一、私が死体で戻ってきたなら、太子殿下が私の死体を持って、彼らを全て惨殺してください。約束してくれますか。この老人と約束してくれますか・・・と言うキムユシン。約束しますと言う太子殿下に、殿下を信じて出兵しますと出兵するキムユシンであった。

次話へ。