「奇皇后」30話

ハジウォン(キスンニャン役:高麗出身で元国の皇后)、チュジンモ(ワンユ役:高麗の国王)、チチャンウク(タファン役:元国の皇帝)、ペクチニ(タニシルリ役:ヨンチョルの娘、タファンの正室)、キムソヒョン(ファンテフ役:タファンの叔母)、チョンクァン(ヨンチョル役:元国最高の功臣)、イジェヨン(ワンゴ役:高麗王族出身の功臣)、キムヨンホ(ペクアン役:元国右丞相)、イムンシク(パンシヌ役:高麗王の宦官)、ユンヨンヒョン(チョンバキ役:高麗王配下)、キムチョンヒョン(タンギセ役:ヨンチョルの長男)、チンイハン(タルタル役:ペクアンの甥)、チャドジン(タプチャヘ役:ヨンチョルの次男)、キムミョンス(カジオ役:軍長、スンニャンの父)
タルタル将軍。

タニシルリ皇后の部屋で。
白装束に着替え、印章を預け、冷宮殿に向かうタニシルリ皇后。

奇氏(スンニャン)の部屋で。
会いに来たワンユ前高麗王に、私を恨んできますかと聞く奇氏。
恨みは未練がある時に出てくるものです。スンニャンは既に死にましたと目に涙を浮かべながら話すワンユ前高麗王。
私を忘れてください。ワンユ候様が(私のことを)覚えていることを望みませんと言う奇氏に、消してしまいたい過去に過ぎませんので、もう意味がありません。もう会うことはないでしょうと言い放ち、去って行こうとするワンユ前高麗王。
ごめんなさい。ごめんなさい・・・と言う奇氏に、謝る必要はありません。私も貴方を捨てたのですから・・・貴方様を恨む者は私を含めて、この世界に誰もいません。謝らず、涙を流すこともなく、堂々と行くべき道を歩いて行ってください。私もそうします。振り返ることもせず、辛がることもなく、後悔することもせず、私の行くべき道を行きますと言い放ち、去って行くワンユ前高麗王。
目に涙を浮かべながら、どうか、私を忘れ、幸せになってください。私の願いです。殿下・・・とひとり泣き続ける奇氏であった。

タファン皇帝の部屋で。
突然、入ってくるヨンチョル大宰相。
連れて行く所がある・・・とタファン皇帝を連れ・・・。
皇帝の全ての権利を放棄し、マー太子に継承する。太子が政治を治めることが出来る歳までは、摂政を置くという文書を書き、印章を押せ・・・とタファン皇帝に迫るヨンチョル大宰相。
仕方なく、印章を押すタファン皇帝。

タファン皇帝の部屋で。
ベガン・・・王位継承に反対する一番確かな私達の見方です・・・そして、オガン、ソルドガン、プサギ、チョッコン、側室達の父親達です。我々にいい知らせがあります。タルタル師匠の話では、各辺境首領達には親しい辺境首領がいるので、10人の辺境首領を取り込むことができるのです・・・とタファン皇帝、皇太后に話す奇氏。

タファン皇帝の部屋で。
タファン皇帝の衣装を整え、辺境首領達の言葉は全て覚えられましたか。陛下は皇帝であり、彼らは、臣下であるということを肝に銘じておいてください。雄雄しく強くあり、ヨンチョルにはない、温かみがないといけません。彼らにこの国の当主が誰なのかを確実に見せ付けてあげてくださいと話す奇氏であった。

皇太后の宴会場で。
ペガン以外、辺境首領がひとりもいない・・・。
全ての辺境首領は、大宰相の宴会に・・・。

ヨンチョル大宰相の宴会場で。
各辺境首領に、世継太子が王位継承をすれば、大宰相への借金を全て無き物にするという約束をしたヨンチョル大宰相。新しい世界の為に・・・乾杯するヨンチョル大宰相であった。

皇太后の宴会場で。
もう、全て終わった。臣下達にも捨てられた・・・と誰もいない宴会場で落ち込むタファン皇帝に、私達が戦おうとしている者は強くて巨大です。なのに、何故、私が彼らと戦おうとしているかわかりますか。陛下を信じているからです。小さな敗戦に涙を見せてはいけません。陛下を信じるたったひとりの臣下である私の為に、絶対に落ち込んではいけませんと話す奇氏。奇氏にもたれかかるタファン皇帝。抱きかかえる奇氏。

タファン皇帝の御前で。
3人の辺境首領が召集され・・・。
今まで3人の皇帝が大宰相によって交代させられた。今回、4人目が代えられようとしている・・・しかし、今回は相手を間違えたようだ・・・と辺境首領達に言い放つタファン皇帝であった。

次話へ