「奇皇后」38話

「奇皇后」38話

ハジウォン(キスンニャン役:高麗出身で元国の皇后)、チュジンモ(ワンユ役:高麗の国王)、チチャンウク(タファン役:元国の皇帝)、ペクチニ(タニシルリ役:ヨンチョルの娘、タファンの正室)、キムソヒョン(ファンテフ役:タファンの叔母)、チョンクァン(ヨンチョル役:元国最高の功臣)、イジェヨン(ワンゴ役:高麗王族出身の功臣)、キムヨンホ(ペクアン役:元国右丞相)、イムンシク(パンシヌ役:高麗王の宦官)、ユンヨンヒョン(チョンバキ役:高麗王配下)、キムチョンヒョン(タンギセ役:ヨンチョルの長男)、チンイハン(タルタル役:ペクアンの甥)、チャドジン(タプチャヘ役:ヨンチョルの次男)、キムミョンス(カジオ役:軍長、スンニャンの父)
タルタル将軍。

宮殿で。
ペクアンを信じるな。モンゴルに忠誠を誓った者です。貴方様が高麗人だということが、ペクアンには、問題になってくるでしょう。公式行事には姿を現さないほうがいいでしょう。賛同者が増えているときほど、敵も増えていくのです。小さな失敗でも賛同者が敵に回っていくのです。貴方様は知恵深い方ですが、権力については、まだ、よく知っておられません・・・と奇氏に忠告し、去って行くワンユ元高麗王であった。

宮殿で。
奇氏の御前で。
ペクアンは身分が低いから・・・とペクアンが大宰相になることを反対する各辺境領主達。
我々の味方になってくださいと嘆願する辺境領主達に、私が関与する問題ではないようです。陛下に相談された方がいい・・・と言う奇氏。
万一、ペクアンが大宰相になるなら、陛下は、ここにいる全ての辺境領主を全て失うことになります。皇后選抜を目前にしていますよね。我々の対面を立ててくだされば・・・と脅迫する辺境領主達に、今は、地位を求めて、分派する時ではありません。対面・・・私が立ててあげましょう。その代わり、絶対に陛下を裏切ることはあってはいけません・・・と語る奇氏であった。

タファン皇帝の執務室で。
陛下が作ったペクアンを大宰相にした組織図を見て、オガン、プサギ、ソルトガンは、辺境領主の中で一番高い地位にいます。彼らの不満を買ってはいけませんと言う奇氏に、俺もそれで悩んでいる。しかし、大宰相の地位をペクアンと分けることはできないし・・・と答える陛下。
権力は分けられないので、名誉を分けるのです・・・と組織図を書き換える奇氏。
行事が終われば、陛下はこの国を統治する本当の統治者になります。おめでとうございますと言う奇氏に、重要な人物が抜けている。今回、ヨンチョルを追い出し、俺に王権を持ってきてくれた本当の貢献者はペクアンでも辺境領主でもない。ヤン、お前だ。お前にも贈り物をするから、期待していろと言うタファン皇帝。

皇帝の御前で。
ヨンヤン領主ペクアンを大宰相に任命する。ウンナン領主オガンを正一品大使に任命する。ヨンボク領主プサギを正一品大夫に任命する。サチョン領主ソルトガンを正一品大夫に任命する。高麗の廃主ワンユには、もう一度復帰することを許可する。高麗王室の状況に従っていつでも帰っていいと勅令が発表される・・・。

大使・大夫は、既になくなった官職ではないですかと言うペクアンに、今回の行事で復活させた。三人で力を合わせてくれと言う陛下。

この場で、新しい皇后を選ぼうと思う。お前達も知っているように、今回のヨンチョルの反乱軍を鎮圧するのに、奇氏の貢献がとても高かった。それで・・・と言う陛下の腰を折り、タナシルリの処分をしてから・・・と反対する皇太后。

ペクアンの執務室で。
大宰相と同じ地位の官職を作るとは・・・と今回の人事に怒り狂うペクアンに、今回の件は、奇氏の考えですと告口をする皇太后。奇氏は高麗人です。高麗の血を引く皇帝が生まれてしまう。この国を守るのは大宰相しかいません・・・とペクアンと奇氏を仲違いさせる作戦に出る皇太后。
姪を陛下に嫁がせ、王室と親戚関係を結ぶことを提案する皇太后。

一方、宮殿資料室で。
大使、大夫は、名誉職に過ぎません。ペクアン様が大宰相の権限を得るために、彼らには権威を与えただけですと言う奇氏に、伯父はそうは考えないと思います。権威は使う者によって剣にもなるからですと言うタルタル将軍。辺境領主を陛下の敵にはできないではないですかと言う奇氏に、今、伯父に背を向けることは、陛下が全てを失うことを意味するのですと答える奇氏。

この国の王室を高麗人に渡すことはできない。首を斬られても許さない・・・と奇氏の皇后就任に反対する皇太后。ペクアン大宰相も反対者の名簿をタファン皇帝に提出し・・・。私が高麗人だからですか、それとも、最初から狩が終われば、捨てるつもりだったのですかと迫る奇氏に、ヨンチョルに恨みを晴らすために来られたのでしょう。恨みを晴らされた今、これ以上望むのは欲ですと言い放つペクアン大宰相。

宮殿の書庫で。
ワンユ高麗太子と秘密裏に会う奇氏。
高麗王が私に密書を送られました。ワンユ様と力を合わせ、高麗を守ってくれと・・・私と手を握ってくれますか。彼ら(元国)の本性を忘れていました。今までは、父の恨みを晴らすために来たのですが、これからは、ここにいる高麗人のために、そして、私のために戦うつもりです。私を(元国の)皇后にしてください。私の息子を皇帝にし、ここで一番高い地位にあがらないといけません。私と手を組みますか・・・とワンユ高麗太子に迫る奇氏。

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