「獬豸(ヘチ)」11話

「獬豸(ヘチ)」11話

チョン・イル(延礽君・ヨニングン役:後の英祖王)、クォン・ユル(パクムンス役:監察官)、コ・アラ(ヨジ役:茶母・歩く人間兵器)、パク・フン(タルムン役:ならず者組織の頭目)、イ・ギョンヨン(ミン・ジノン役:西人老論(ソインノロン)勢力の頭目)、チョン・スノン(チュ・ヨンハン役:司憲府(サホンブ)の監察官)、チェ・ミンチョル(ユンヒョク役:クムスジョ派の代表・司憲府(サホンブ)監察官)、チョン・ペス(チャンダル役:司憲府(サホンブ)監察官)、アン・スンギュン(アボン役:司憲府(サホンブ)監察官)、イ・ピルモ(ハン・チョンソク役:司憲府(サホンブ)監察官)、ハン・スンヒョン(朝鮮20代王・粛宗(キョンジョン)王)、ナム・キエ(インウォン王后)、ノ・ヨンハク(延齢君(ヨルリョングン)役)、ソン・ジシン(セジャピン:粛宗(キョンジョン)王の正室)、ノ・ヨンハク(延齢君・ヨルリョングン役)、チョン・ムンシン(密豊君・ミルプングン役)、ハン・サンジン(ウィ・ピョンジュ役:司憲府(サホンブ)監察官)、イ・ピルモ(ハン・ジョンソク役:司憲府(サホンブ)監察官)、ハン・サジン(ウイ・ピョンジュ役::司憲府(サホンブ)監察官、ト・ギソク(ケドル役)、キム・ジョンス(イ・イギョム役:西人老論(ソインノロン)、パク・ジョン(チョホン役:側室)、イ・ウォンジェ(キム・チャンジュン役)、イム・ホ(イ・グァンジャ役:少論)

 

司憲府裁判場で。
裁判に掛けられようとするヨニングン。
ちょっと待った・・・と殺主の少女を連れて、ミン・ジノン大監が入って来る。
この娘を見たことがありますよねと詰め寄るウイ・ピョンジュ検察官に、この娘を痛めつけるのはもうやめろ。俺がこの娘を見たと言うヨニングン。

結局、ウイ・ピョンジュと貴方の仕業だったのか、あの娘達だけの罪じゃない。貴方もわかっているだろと言うヨニングンに、奴碑になって生きることもできず子供まで売らないといけない世間、そういう世間が幼い子供を刺客にしたてあげたんでしょうと言うミン・ジノン大監。
身分と権力がある以上自然なことです。人間は本来、区別し、差別する存在だということを知らないのですか。それを変えられると考えられるとは・・・。彼らを生かすことも殺すこともできる力を持っているのがこの国の士大夫です。世継王子と言うミン・ジノン大監に、だから、あの子達を全員殺す気なのか罪がない子供いると言うヨニングン。
やはり、卑しい身分の者に対する憐憫が強いのですね。しかし、世継王子はそんなことを気にしている場合ではありませんと言い放つミン・ジノン大監。

護送されるヨニングン。
護送先で。
私の罪は知っています。その罪を受けます。忠臣の要求の通り、私を世継王子から外してくださいと言うヨニングンに、お前が何者だというのだ。どうやって責任を持つと言うんだ。錯覚するな世継王子。この国の王は俺だ。責任は責任を持つことができる者だけが持つことができるんだと言い放つ王であった。宴会に出席し、世継王子として健在であることを見せつけろ。俺が防ぐから、お前はお前の立ち位置を守れと言っているのだ。王として責任を取る。お前にその事をさせたのは、王命だったから・・・とヨニングンに言う王。

 

宮殿、王の御前で。
世継王子を外すことは許さないと忠臣達に言い放つ王。
世継王子は殺主組織の存在を知っていたのに、庇護しました。両班達がどうやって敬えと言うのですかと言うミン・ジノン大監に、世継王子は殺主組織を庇護した訳ではないと言う王。
王も知っていたのですかと詰め寄るミン・ジノン大監だが・・・。

少論の首領と歩きながら・・・。
師匠、君主は恥ずかしいと思うことがないことを恥ずかしいと思わなければいけない。政治というのは貧しい者を助けるものであり、金持ちに与えるものじゃない・・・と教えてくれたじゃないか、俺は、恥ずかしいことを知り、力のない民を助けようとする世継王子を捨てることはできないのだと少論の首領に話す王。

 

宴会の場で。
どうせ生き残るなら・・・と思いながら、殺主組織について話そうと思う。俺が関係したと言われている事件のことだ。俺は殺主組織が作った子供達が人身売買を通じて清国に売られて行くというのを知っていた。貧しくてもこの土地に住んでいたかった子供達が両班への税金に耐えられずに、売られていく姿、土地を持っている両班は他にいるのに、民は小作人として仕事をしているのに、何で国は過酷な税金を課しているのか。おかしいではないか。何で土地を持っている者ではない。その土地で働く民に税金を出せというのかと言うヨニングンに、では、両班が税金を払えと言うのですかと言う両班。
我々の土地があるから彼らは生きられるのですと言う両班に、いいや、その土地で仕事をする者がいなければ、貴方達はどうやって食べていけるというのか。誰のお陰で生きていけると思っているのかと言い放つヨニングン。はっきりと言っておく、そういうスタイルは無くさないといけない。世継王子の俺がいつの日か王位に就いたら、土地の税金は土地の主人に課せると言い放つヨニングンであった。

宮殿、王の御前で。
お前を俺が守るから、終わらせようと・・・そんなことをしたのかと言う王に、王はもっと大きな責任があります。どうして私ひとり守ろうとするのですか、言いたかったことを言えたのは少しの間世継王子だったからです。それだけでも私には十分な時間でしたと言うヨニングンであった。

ヨニングンを世継王子から外せと叫ぶ両班に対し、世継王子を外すことに反対する民達が身分証の板を、名前を書いた石を山のように門の前に積み上げ・・・。

パクムンスの家で。
私がまだ何もできないということが分かりました。監察官になれば、何でもできると思っていたのに、心の中で思うだけでは何もできないということをやっと少しわかりましたと言うパクムンスに、俺に言っているみたいだな。それでもあきらめるなということだなと言うヨニングン。

外に出た所で・・・ヨジに出会い。
宮女になりますと言うヨジに、それがどういう意味だか分かるかと言うヨニングン。
知っています。宮女になるには条件が必要なこともと言うヨジに、宮女が何だか知らないのか。宮女になれば、上のものに仕えることは勿論・・・と言うヨニングン。雑務が多いのは知っています。水剌間に行くこともあるでしょう。私は料理が上手だから・・・だから、私が東宮殿に入れるようにしてください。世継王子を守りたいのですと言うヨジに、お前が俺の言うことを聞くわけがないか。宮女になることがどういうことか教えてやる。それは、こうすることもありえるしとヨジの手を握り、そして、こんなことも出来るということだ・・・とヨジにキスをしようとするヨニングンであった。

 

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